バイタルサイン・リハビリ時のリスク管理について本気出して考えてみた①
ガイドラインをそってリスク管理をしていれば最低限、とがめられる事は無いでしょう。
しかし、学校で覚えて来た知識と臨床に出てから得た知識と、考えはあまりに解離していると、感じています。
リハビリの清書に記載されている管理を覚える事は当然必要ですが、それだけでは私臨床は務まりませんでした。
何故、その数値だといけないのか、ホントに動かしてはいけないのか本気出して考えてみた結果をお話ししてみます。
一般的にバイタルサインというと、脈拍・呼吸・血圧・体温・意識になるかと思います。
先ずは、脈拍と血圧から考えてみます。
理学療法士が国家試験を受けるときには誰もがアンダーソンの基準を暗記します。
このアンダーソンの基準で脈拍に関しては、安静時120回/分、運動時140回/分以上の場合には運動を行わないもしくは中止するとなっています。その他の清書でもこれにならっているもしくは安静時の30%以上の脈拍増加があれば一時中止するとしたものが多いです。
では、なぜ120回/分では運動を行わない方が良いのでしょうか?
私が、安静時に脈拍120回/分だったと仮定してみましょう。明らかになにかが身体のなかで起きていますね。緊張してるか、炎症反応や自律神経系の異常で交感神経活性が高まっているなでしょう。
1つはこれらの理由、病気を持つ患者様とすれば何かしらの炎症反応が起きていると思われます。基本的に炎症期(CRP:3以上)となれば、筋の蛋白合成は起こりません。筋トレはまず適応になりませんね。
もう一つは、心拍出量が低下し、血圧を保てなくなるからだと思います。血圧=心拍出量(心拍数×1回拍出量)×末梢血管抵抗なので、単純に心拍数が上がれば血圧は上がるはずです。しかし心拍数が140〜150回/分を越えると1回拍出量がガクッと下がり結果的に血圧が低下してしまいます。
安静時に120回/分という事は運動時の脈拍上昇の予備能が少ないというこですね。
これまでの事を逆に考えると、心拍数上昇の原因が分かっており、血圧が保てていればアンダーソンの基準や清書の基準に限ったことではないのかなと考えています。そもそもアンダーソンの基準は心疾患の方専用の基準ですしね。
実際、私はこの限りではなくリハビリ介入しています。逆に心拍数で言えばゆっくりな方が怖いですね。50回台/分の方とかDMに伴う自律神経障害とかで、心拍応答の悪い方も要注意だと思います。
こんな感じでバイタルサインの意義や目的を考えていこうと思います。
長くなってしまったので、血圧は次号としますね。