理学堂 ヒトと人と人間

三次救急病院で理学療法士をしている私が、日々感じている疑問やみなさんにも有用な情報を発信して行きたいと思っています。テーマであるヒトと人と人間に着いてもちょこちょこ更新して行きたいと思います。

心筋梗塞の患者様からヒマラヤに行きたいと言われて②


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さて、前回の続きとなりますが高地での2つ目の問題点と考えた気温です。

3500m想定として夏では日中平均15度程度、冬では-10度となるそうです。夏の昼間であればそれほど問題は無さそうですが、朝晩や夏以外はやはり気温が低く気になります。

寒冷に伴う心負荷といえば、末梢血管の収縮に伴う血圧上昇です。更に、体温保持の為に体幹部に血液が集まると、細胞間質へ水分が移動し結果的に脱水の状態となります。高地に限った話ではないですが寒冷暴露から室内などの温暖な環境へ急激に変化した時には末梢血管は拡張しますが、水分移動はそれに追いつけません。

結果的に血管内脱水となり、一過性虚血発作なども懸念されます。

また、「ふるえ」による熱産生が行われますので酸素需要も高まりますね。

 

気温については思ったよりも寒くないようでした。